中山胃腸科内科医院logo_small 上部消化管内視鏡検査のQ&A


当院では上部消化管内視鏡検査をおこなっておりますが、検査をお勧めする際、疑問や心配をお持ちの方も少なくないと思います。
これらの疑問・心配のうち代表的なものにお答えする形で、
上部消化管内視鏡検査を安心して受けていただくための説明と注意事項を紹介させていただきます。

 
Q1. 上部消化管内視鏡検査ってどんな検査?
 スコープの先端に装着されたCCD(半導体撮影素子カメラ)により、モニタ画面に食道・胃・十二指腸の内部を写し出して直接観察し診断する検査です(原理は家庭用ビデオカメラと同様です)。当院では直径約5.5mm、柔軟性のある細径電子スコープを用いて検査します。以前は径9〜10mmの経口内視鏡が中心でしたが、細径内視鏡の性能が向上した現在、鼻からの検査(経鼻内視鏡検査)でも十分な結果を得ることができるため、口からの検査(経口内視鏡検査)でも5.5mmの細径内視鏡を採用しています。通常30から40コマの静止画像(写真)を撮影しながら観察を行います。また異常所見を疑った場合などには、色素をかけて色の変化や凹凸を見たり(色素散布)、ゴマ粒大の組織片を採取して顕微鏡で判定したり(組織生検)と、精密検査を追加する場合があります。  検査の正味時間(スコープが体内に入っている時間)は、観察のみの通常検査で5分〜7分ぐらい、精密検査をおこなった場合でも合計で10〜12分ぐらいです。  
内視鏡室1
内視鏡室1
上部消化管用電子スコープ
上部消化管用電子スコープ

スコープ先端
細い方のスコープを
現在 主に使用しています
 
Q2. 上部消化管内視鏡検査って苦しくないの?
 スコープが通っているあいだの喉の違和感、胃のなかをよく観察できるように空気を送るための腹部膨満感は多くの方が感じると思いますが、それ以上の苦痛は「無しで検査ができるもの」、「無いのが当たり前」と考えています。しかしそれでも、以前に受けた内視鏡検査で苦しかった、病気かどうかとても心配だ、などの理由でどうしても緊張しやすかったり、喉や肩に力が入り苦しくなりやすい方がいらっしゃるのも事実です。
 当院での検査はすべて日本消化器内視鏡学会「内視鏡専門医」の認定を受けた院長が行いますが、同時に検査の補助には同じ学会認定の「内視鏡技師」が担当します。検査時の苦痛の緩和、特に「いかに楽に内視鏡を飲んでいただけるか」については当院独自の工夫をおこない、特に緊張の強い方には鎮静剤使用するなど、楽に検査を受けていただくための用意をしてありますので、きっとご安心いただけると思います。心配な方はいつでもご相談ください。
詳しくはこちらから
上部内視鏡検査における介助の一考察
 
Q3. 上部消化管内視鏡検査と胃レントゲン検査の違いは?
 上部消化管内視鏡検査は食道・胃・十二指腸の粘膜表面を直接観察するのに対し、胃レントゲン検査は、飲んでいただいたバリウム(白く写る)と発泡剤の空気(黒く写る)のコントラストの差を利用して消化管内部の凹凸を造影し、観察診断する検査です。通常は胃の基本的な診断で8枚、精密検査で15から20枚の写真をとって診断します。
 以前はレントゲン検査で明らかな異常があるか異常を疑われたときに、内視鏡検査を行うことが普通でしたが、20年近く前から次第に、最初の検査は内視鏡でおこない、レントゲン検査はむしろ精密検査として行うといった考えが、消化器専門医の間では当たり前になってきました。それぞれの検査の特徴を下にまとめてみました。

胃内視鏡写真
      胃内視鏡写真

胃レントゲン写真
    胃レントゲン写真
 
上部消化管内視鏡検査の良いところ
・粘膜の微細な変化や色調を直接観察できる。
・病変があれば、即座に組織を採取し(組織生検)、精密検査ができる。
大変なところ
・検査中のどに違和感があったり、人によっては吐き気やおなかの張った感じがすることがある。
・検査の後、咽頭麻酔が切れるまでの約1時間、飲食を控えていただく。
胃レントゲン検査の良いところ
・胃の全体の形がわかる。
・食道、胃の動きがわかる。
・病変全体の概容や位置をつかみやすい
 (手術のときに役に立つ)。
大変なところ
・バリウムを飲むのが苦手な方もいる。
・発砲剤を飲むと胃が張る感じがする。
・検査後、バリウムが固まり便秘がおこりやすくなる。
 
Q4. 検査前の食事は?
・検査前日の夕食は、消化のよいものを21時までとってください。
・検査当日の朝は、何も食べないようにします。
・水かお茶を飲むのは構いません。歯磨き、うがいはして下さい。
 
Q5. 検査当日はどのような服装で?
 きつい下着やコルセットなど、腹部をしめつけるものは着用せず、楽な服装でいらしてください。上着やネクタイは検査前に外していただきます。
 
Q6. 当日朝のお薬は服用しても良いか?
 あらかじめ当院で指定したお薬(主に心臓、血圧のくすり)のみ、水で飲んでいただきます。
その他のくすりは、飲まないで下さい。

※心臓病、脳卒中等で、他の病院から血が流れやすくする薬(ワーファリン、パナルジン、ペルサンチンなど)を処方され服用している方は、検査前に必ず確認をさせていただいています。
 
Q7. 検査前に何をするのか(前処置)?
1)血圧をはかります。
2)胃をきれいにする薬を飲みスコープを飲みやすくするためにノドの奥を麻酔します。
3)胃の動きを止めるための薬剤を注射します。
 
Q8. 検査室では?
検査室に入りましたら、上着はぬぎ、メガネをはずし、ベルトとズボンの一番上のボタンはゆるめます。
入れ歯の方は、看護師におっしゃって下さい。入れ歯の大きさによりはずしていただくことがあります。

気持ちをらくにして検査をうけましょう。
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Q9. 検査後に食事はできますか?
検査が終わってもノドの麻酔は残っていますので、検査直後のうがいは口のなかをすすぐ程度にしてください。
原則として1時間位たって水を飲んでも大丈夫でしたら、食事を摂ってもかまいませんが、組織検査などおこなった検査により、しばらく休んでいっていただくこともありますのでご了承ください。
 
わからない点は、遠慮なさらずにご質問ください。
 
当検査を受けられる方には、ご来院された時に説明書を用いてご説明させていただいております。
ご覧になられる方は、説明書の画像または文書名をクリックしてください。
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