処女膜
処女膜とは、膣口のまわりの伸縮性を持つ粘膜のひだのことでわずかに粘液を分泌しています。内部に子宮などの重要な生殖器官を持つ膣口の入り口にある器官で、膣内への雑菌の侵入を防ぐ役割があります。ヒダが重なるように普段は閉じています。
 膜とはいっても、ふたのように膣口をふさいでいるものではなく中央に小さな穴が開いています。 生理のとき、月経血が出ていけるように中央部は開口しています。このため、生理用品のタンポンを使うことができます。
 処女膜は、初めての性交で破れ、出血すると言われています。 しかし、処女膜の穴の大きさや膜の強さ、弾力性が異なるので、性交しても、伸び広がるだけで膜は破れず、出血しないこともあります。
 最近は、栄養のバランスがよくなり、処女膜の弾力が増し、よく伸び広がり、性交時の分泌液も十分に分泌され、出血が見られなくなってきているようです。
 統計では、初めての性交で全然出血しなかった女性が全体の3割くらい、少量の出血があったのは半数とほとんどの女性に激しい出血はないようです。また、痛みすら無かった女性は1割強、軽い痛みを感じる程度だった女性は3〜4割くらいです。
 処女膜は、性交したときに傷つかなければ出血は起こりませんし、傷ついたからといってなくなってしまうわけではないので、処女(性交経験のない女性)でなくても処女膜は残ります。
 しかし、出産を何回か繰り返すと、処女膜はほとんど無くなってしまいます。
 処女膜は、形や、厚さ、弾力性など個人差が著しい器官です。ほとんどの女性は、まん中に穴がある環状(かんじょう)処女膜です。同じくまっすぐに裂け目がある垂直状処女膜、いくつかの小さな穴が開いている篩状(しじょう)処女膜、細長い穴が二つに区切られている中隔(ちゅうかく)処女膜などの形状があります。
 極めてまれに、膣口を完全にふさいでしまっている処女膜があり、これを閉鎖(へいさ)処女膜と呼んでいます。
 閉鎖処女膜の場合、思春期になり月経がはじまっても、出口がないので血液などが膣内にたまってしまい、月経血により腹部に圧迫感や、痛みが伴います。閉鎖処女膜であった場合は、医師により簡単に切開してもらえるので心配することはありません。
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