9.カンジダ膣炎
[病原体]
カンジダ菌
[感染経路]
性交、性的類似行為
多くの女性が経験する病気で、性交渉が無くても自然発症する。健康な時には菌が付着しても普通 は発症はしないが、疲労などによる抵抗力低下時に発症する場合が多い。ホルモンの影響が大きく、妊娠時、糖尿病者、ビタミンB欠乏者に多く発症する。抗生物質やステロイド剤を長期間大量 に使用すると発症度が増加する。カンジダ菌は普段は腸内に寄生しているため便に混ざっており、そこから菌が付着することが多い。アナルセックスの際は特に注意。
[症状:男性]
尿道炎を引き起こすが、症状は軽い。
[症状:女性]
性器、外陰部が赤く腫れ、かゆみを伴い、白いヨーグルト状のおりものがある。また、膣内粘膜には白または黄色のカス状のおりものが付着する。
[予防]
カンジダ菌はカビの一種なので、ズボンよりスカート、ナイロンより綿の下着を着用するなどムレない条件を作ること。当然ながら不規則な生活を避けることも大事である。カンジダになりやすい人は抗生剤、ステロイドホルモン、ピルの使用はなるべく避けた方がよい。
[治療]
膣炎だけの場合にはナタマイシン、クロトリマゾール、トリコマイシン、マイコスタチン等の膣錠(膣に入れる)、外陰部にも炎症がある場合にはピマフミン、エムペシドクリーム等の塗り薬と併用で10日ほどで完治。だが、症状の程度によりかなり個人差があるので一概には言えない。1ヶ月ほど患っている人も多い。ビタミン剤や、状況によっては抗真菌剤の内服薬を処方される場合もあり、生理中の治療は延期される。炎症があるときは、入浴時に石鹸で洗うと症状が悪化することがあるので、低刺激性の石鹸か、お湯で丁寧に洗い流すようにした方が良い。妊婦の感染の場合には出産前に治癒しないと、産道を通った赤ちゃんの口内に感染する危険性がある。
[その他]
カンジダ菌は誰もが腸内に持っている菌(真菌:カビ)であり、通常は発症しない。通常でも1割ぐらいの人は膣内にカンジダ菌がいると言われている。性交渉でも感染することがあるというだけで、一般に言われる「性病」ではない。
もっと見る

戻る