6.性器ヘルペス
[病原体]
単純ヘルペスウイルス
ヘルペスウイルスII型
[感染経路]
性交、母子感染
手や物に付着したウイルスも数時間感染力があると言われている。
保菌者が口中に感染している場合はキスなどの接触でも感染の恐れがある。
[症状:急性型]
感染後2〜7日間の潜伏期の後、外陰部や膣内に熱っぽさを感じる。但し、感染しても潜伏したまま症状が出ず、体調の悪い時や抵抗力の落ちた時に発症し症状が出ることがあるため、いつ感染したものかを判断するのは難しい。陰部にかゆみやヒリヒリとした痛みを感じ、軽い刺激をともなって赤くなる。その後3〜4日して、米粒大の赤い湿疹や、水泡ができ、潰れると非常に痛い。頭痛、発熱、鼠径リンパ腺(太股付け根のリンパ腺)の腫れなどが見られる。歩くと擦れて痛いため、歩行困難や排尿困難になることも。
[症状:再発型]
ヘルペスウィルスはいったん感染すると、神経に潜伏し、治ったと思ってもまた再発しやすい。急性型に比べて症状は軽く、水泡の数も少ない。疲労や生理、セックス、ストレスなどがきっかけで再発することが多く、症状に悩まされるあまりヘルペスノイローゼになることもある。特に妊娠中に症状が出た場合、出産時に新生児に感染して新生児ヘルペスを引き起こす。産道感染等による新生児のヘルペスウイルス感染症は、ヘルペスウイルスが細胞から細胞へと直接感染していくため、母親からの移行抗体による発症の予防が困難であり、極めて重篤な病態を示し、しばしば致命的となることがある。
[治療]
抗ウィルス剤アシクロビルの服用、注射、軟膏の塗布。再発型の場合、早めの治療で3〜4日で改善するが、個人差が大きい。特に症状が強い場合、免疫強化剤ガンマグロブリン、インターフェロンを注射することも。保険が効く。
[その他]
口唇にできるヘルペス(単純ヘルペス、口唇ヘルペス)は、I 型のヘルペスウイルスが原因。II型は性器ヘルペスとも呼ばれているが、現在では、T型、U型、どちらでも性器ヘルペスが起こり得ることが知られている。
もっと見る

戻る