副睾丸
睾丸の中にある、曲精細管内壁で誕生した精子は、曲精細管の蠕動運動や、分泌物の流れなどによって運ばれ、直精細管を経由して、精巣網に集まったのちに、精巣輸出管によって、睾丸の外側に運び出されて、副睾丸に至り、ここでゆっくりと成熟します。
 副睾丸は、精巣輸出管によって睾丸とつながっている、曲がりくねった、細長い管で、頭部・体部、そして精管わん曲部に連結している尾部の3部分から成り、その長さは、引き伸ばすと6メートルほどになります。
 睾丸から、副睾丸に送りこまれてきたばかりの、生まれて間もない精子は、運動能力を持ちあわせていないばかりか、受精能力すら無い、いわば「赤ちゃん精子」、とでもいうべき存在です。
 赤ちゃん精子は、副睾丸の頭部から体部へ、体部から尾部へと、10日間から20日間かけて、ゆっくりと運ばれますが、その間に、射精時に泳ぎだす能力を持った青年精子となるのです。
 すなわち、副睾丸は、精子が成長するのに適した保育器の役目を果たしているのです。
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