TOPSY TIMES 200号 発行日2007年02月05日

冬の暖かさに誘われて温故知新 その1 門前仲町から築地まで

今年最初の散歩に出る しかも背広・革靴・鞄すがたで 出張中の朝。
泊まりが門前仲町 前日茅場町で飲んだため。
ここに来るのは35年振りの2度目 全く土地カンのない場所。
天気も良く、まっすぐ行けば日本橋に行けそうと思い、何となく歩いてみた。
前日山形を出る際には猛烈な寒気で、コートなしでホームに立っていた時と大違い。

出発するが、コンビニの前でまず一服 本日最初のタバコである。
   あ〜〜〜 ほんとに春だよな〜〜〜 なんて思っていたら
散歩途中の人がタバコ吸いに立ち寄ってきた。
  「こんちは〜〜 暖かくて散歩に良いですね」
  「そうだね〜〜 今日は4月半ばの陽気になるらしいから気分良いよ」などと
雑談し 自分も歩き始めるとすぐに大きな橋が見えてきた 永代橋である。
これが道路情報でよく聞いていた永代橋か〜〜〜赤穂浪士が討ち入りの帰りに渡ったんだ〜〜
手前に交番があり 誰もいないけど ちょっと地図を見せてもらおう。
   築地も近いし 築地まで行けば 銀座もすぐ
   日本橋ではなく 取りあえず墨田川沿いに歩いて銀座まで行こうと。

隅田川

隅田川の両岸は整備されており 歩き易い。
以前も出張した朝 隅田川を歩いた事があった。(調べてら99年の6月)
この時は 非常にホームレスのブルーシート住宅が多く驚いた事があった。
でも今回は一軒(?)も見かける事もなく、らしき人物は3人ほどだった。
どうしたのだろうか???隅田川を行き来する船も少ない たまに水上バスが通過する位。
両側に高層ビルが立ち並び、岸辺も隅田川テラスと呼ばれるように
きれいに整備されているけど、何となく落ちつかない。
自然がないからである 確かにきれいでも生命の息吹きが感じられない。
大川端のリバーシティーなど見上げるような高層ビルは確かに首都東京そのもの。
しかしこれが日本という感じではない どこかの国でも通用する。
地図は非常に丁寧に配置されており、利用者への配慮は素晴らしい。

散歩途中のおじいさんに話し掛けると
   「山形から来たの?良いね東北は!」
   「若い頃 何度か蔵王に行ったけど みんな人が良い」と
そして聖路加病院のテラスは明るくきれいで、いつもそこで休憩し、
銀座まで行って若い子を見ながらお茶を飲んで毎日4時間位歩いていると。
そして聖路加病院は慶応義塾の発祥に地という事を知る。
へ〜〜〜三田じゃないのだ。
(なお私の父の父は 山形出身で慶応義塾第一回目の卒業生です これ自慢!)
反対側が 佃島で海側の石川島公園側でその対岸の越中島側から見ると
高層ビルが沢山あって、素晴らしいよと言われるが
    佃島には一度も行った事ないな〜〜 佃島の行って佃煮を買おう!

後ろ歩きしているおばあさんと顔を見合わせながら、歩く。
結構は早い歩きである。
    「後ろ歩きでも早いですね〜〜〜」
    「後ろ歩きって 難しいのよ〜〜」
    「でもね〜〜 この身体だから運動いなくちゃね」などと
散歩中の方々とお話をするが、みんな元気である。
健康を求めて歩く姿以上に心の豊かさが感じられた。
   「よ〜〜〜し 俺も銀座まででなく赤坂まで歩くぞ〜〜〜〜」
何キロあるか知らないけど 1時までには着くだろう。
駄目だったら 途中で地下鉄にでも乗れば良い。

佃島

佃島 首都東京に残された異空間の一つ。
周りは大川端の高層ビルに囲まれ、
小さくなって息づいている。
江戸時代から続く庶民生活が、
現代社会の波に飲み込まれて、何か痛々しい。
まるで押しつぶされそうという雰囲気が漂っている。
頑張れ!佃島! という事で 天安で佃煮を買ってくる。
ちょっと甘めの昆布の佃煮でした。

勝どき橋

そして勝ちどき橋 ここも徒歩で歩くのは初めて。
勝ちどき橋の最大の特徴である橋が両側に跳ね上がって開閉するという機能は
既に役割を終えていて、歩いているだけでは何も感じないが、
その名残りである小屋だけが普通の橋とは違うぞ!という存在感はある。
しかも「勝鬨橋」という名前は、日露戦争の勝利を祝っての建設という歴史から
来ており、これも他の橋との違いの風格さえ漂う。

築地市場

何度か仕事で来ているが、今回の様に気ままな散策はなかった。
背広姿が似合わずちょっと場違いな場所ではあるが、今築地市場の移転問題が話題になっていて
コミック誌でも取り上がられており、昼近くでもあり場外を回り道してみる。
かといっても、築地だから魚 だから寿司というわけにもいかない。
なにしろ寿司はあまり好きではないから。
別にまぐろなんて食べたくもない まぐろを食べるなら鰯や鯖の方がずっと美味しい。
全般に小売されている商品はかなり高い スーパーの方が安いもが多い感じがする。
ただ珍しいものがあちこちに散在していて、ひやかしながら散策する楽しみであろう。
途中美味しいそうな玉子焼を売っているお店があった。
柔らかく甘そうでつい買いたくなったが、これから1時間は歩かないといけないし
鞄はさきほど買った海苔類で一杯 それに会議場に玉子焼をぶら下げて入るもの変だと
今回は諦めてお店と去ろうとしたら 隣の人が
    「ここよ テリー伊藤のお兄さんのお店」と話していた。
へ〜〜〜 有名なお店なんだ〜〜玉子焼 丸武って。

玉子焼を諦め、そろそろ朝食兼昼食を取ろうかと思っていたら
間口1軒半位の小さなラーメン屋さんに行列が出来ていた まだ12時前なのに。
そう言えば 以前このお店で食べた事があったな。
次々にラーメンをさばき、食べるのは路上で。
しかしながら作るのを見ていると大量の化学調味料を入れている。
チャーシューはそれなりに美味しかったけど、あの人工的に作られてスープは苦手。
並んで失敗したな。

<藤野 樹海記>


2 冬の暖かさに誘われて温故知新 その2 銀座から赤坂まで

銀座・西銀座・日比谷

ここは通いなれた場所 ただ一つ気になったところが銀座四丁目の交番。
かつて大学の文化祭の準備しての帰り道 日本橋方面から銀座通りを南下して
有楽町の駅方面に右折して(右折禁止だった)、交番のお巡りさんの止められて事があった。
その時の車は先輩の友人のポンコツ軽自動車で しかも前のナンバープレートは
段ボールであった(滋賀ナンバー)。
免許取りたて・深夜・交通違反・滋賀・段ボールのナンバープレート・他人の車 
こんなに不審要素がある者を調べないわけがない。
いろいろ調べられたけど 結局無罪釈放された思い出の銀座四丁目の交番。
ここが「ただ今 パトロール中」と無人になっているのには驚いた。
日本一の銀座の中心におまわりさんがいないと 困る人がいるのではないでしょうか?
  (ちなみに滋賀ナンバーの車はあの後、エンジンがかかりにくいといって
   バッテリー液が少なかったという事で水道の水を入れてしまい、バッテリーを駄目にしました)

赤尾敏が街宣車でよく街頭演説していた西銀座デパート前で 
今日は民主党代表代行菅直人や蓮舫が、柳沢厚労相の放言に対して糾弾演説をしていた。

しかしながら なにかおかしい。
ニタニタしながら後ろで演説を待っている姿を見ると、
ほんとに糾弾する気持ちがあるの?と。
真剣味が感じられない。
上から見下ろす快感やみんなに見つめられる快感に
酔っているのではないだろうか?
言う事で役割は終わり 俺達はがんばっているのだという事を
知らしめているだけではないのだろうか?

待っている時は下で同じ目線で見つめる事が格差是正の第一歩なのではないだろうか?
と疑問になったものです。

桜田門・三宅坂・国会議事堂・首相官邸

日比谷公園の西側は日本の中枢を司る霞が関官庁街 この地も歩くのが初めて。
東京に10数年住んでいても、歩いた事がないところがほんとに多いと思った。
まあこんなところに子供が遊びに来るわけがないけど。
桜田門といえば井伊直弼に警視庁 これはもう当たり前の事。
では三宅坂ってなんだったの?と調べると、
三河国田原藩・三宅家の上屋敷(現在の国立劇場周辺)があったことに由来するという。
さらには近江国彦根藩・井伊家上屋敷もあった。
そうか井伊直弼はこの三宅坂の屋敷から江戸城に登城途中の桜田門の外で
襲撃にあったわけなんだ。
ほんのちょっとの距離 世の中物騒な時なのに近いからと用心が足りなかったのだろう。
戦前には「三宅坂」といえば「参謀本部」を指し、戦後は「社会党」を指していたと。
では今は何を表すのであろうか?

国会議事堂を中心に多くの官庁が集まっており、ここが日本の中心。
いざ問題が発生した場合 分散でないから何かと便利と思われる。
そんな意味で議員会館が国会の近くにある意義は何となく理解出来た。
この周辺は、標識・地図・警察官が非常に多く 道に迷う事はなさそう。
途中何度か敢えて聞いてみたが、中にはポケット地図を出す警察官もいたが
親切に教えてくれた 陳情などで聞く人も多いだろうな。
もし背広ではなく、迷彩服で身をまとっていたら 
どんな対応がなされるのか想像するだけでも楽しい。 急に警備する人員が多い場所を発見。
黄土色の高い塀と塀の上には植え込みと何台もの監視カメラ 
ところどころにはアルミの梯子さえ見え、警官の姿が見え隠れしている。
まるでテレビで見るやくざの親分の邸宅。
そう首相官邸です こんなところにあったのですね。
隣近所には、普通の住宅などなく ゴミ出しはどうするのだろうと思った。
しかし道路の反対側にはそれほどの警備はなく、
向かい側からの迫撃砲などの攻撃があったらどうするのだろう???

欄外編 パリ

初めてパリに行った際 フョションのお店を注意深く見ていたら
お昼の集合時間に間に合わず 仲間達が待つ貸切バスは無常にも私だけ置いて
どこかに行ってしまった そりゃそうだ30分以上も過ぎてしまったのだから。
こうなれば午後一杯単独行動しかない。
お茶を飲んだり、ウィンドショッピングをしたりとパリの中をさまよい始めた。
一人旅は気楽だし、歩きなら言葉なんてわからなくても十分
  帰りはホテルの名前がわかっているからタクシーに乗れば良いなんて思って
そうしたらいつの間にか、静かな町並みになり 宮殿のような素晴らしい建物が見えて来た。
なんだろうと中が見えそうな鉄格子の門に近づいていったら
警備の衛兵からあっちに行けと言われた なんなんだよ この建物は。
その時は地図も観光案内の本もすべてバスの中だから なんの建物かなんてわからない。
あとで調べたら、大統領官邸のエリゼ宮殿である事がわかった。
なるほど 追い出すわけだ。

同じ官邸であり、エリゼ宮殿よりも警備はしっかりしていると思った。
でもこんなところでゆっくり出来るのだろうか?
今日は家の前 家の裏と雪かき1時間半
道路が除雪した雪で狭くなっており、歩行者が車を気にして歩かないといけないので
他所の部分まで雪かきしたり、公衆トイレの回りを除雪したりしての
ボランティア活動 これもある面では首相の仕事と同じじゃないかな???

そんな事を考えながら 赤坂のホテルニューオータニに行くところ
間違って ホテルオークラに向かっていました。
なんとか1時までと急いだ3時間半。
残念ながら会議は2時からで1時間も早く着いてしまいました。
これも書類を確認しない面倒臭がりな性格が災いしております。


教訓!知らないところは、十分に確認してから行きましょう。

<藤野 樹海記>


3 変なもの3題

この写真 ちょっとわかりにくけど、何か変なところ わかりますか?
毎月ネクタイを買うお店に向かいに
インドカレー フジヤというお店があります。
ネットで見るとかなり書き込みのある日本橋のカレー屋さん。
たまたま今回食べに行きました。
その時 ここのスプーンの変な事に気がつきました。
何が変かわかりましたか?

ネットでのこのお店の事についての書き込みを見ても
この事を書いてある記事はありませんでした。
答えは、スプーンの柄と丸い食べ物をのせる部分とがまっすぐではなく 食べ易く口に入れられるように 角度が付いているのです。
こんなスプーン欲しい。

次ぎの画像は、ある飲み屋さんで注文した塩クジラ。
くじらの本皮(皮の付いた白い脂身)を塩水で付けたもの。
捕鯨国日本では、全国各地にクジラ料理があり
我が山形では、初夏の頃 いんげん・新じゃが・新玉ねぎと一緒に
煮付けてたべたりする。
まあどこでも汁もの・煮物・鍋物にすると思うが
このお店では 塩抜きしてそのまま食べるとの事。

スライスした塩クジラを5分ほど水で塩抜きするだけ。
あまり塩抜きしないこと ほんのり塩味がある状態で食する。
案外クセもなく 酒の肴といて合いますよ。

<山本 一義記>


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