TOPSY TIMES 197号 発行日2005年11月03日

1 会津産が朝鮮産に化ける。

会津は朝鮮人参の産地があると知人から聞いて、「うそ〜〜〜!」と。
「なんで日本で作ったものが朝鮮人参なんだよ」
「そうか〜〜〜 北朝鮮さんのしじみが日本産しじみに化けるのと同じか〜〜」
なんて自問自答しながら、今度会津に行って調べてみようと

一週間後 会津高田町の会津人参農業協同組合にいました。
しかもこの農協はなんと人参単品の専門農協なんです。
1952年に創立され、組合員数は約180名で年間生産量 会津人参1万本生産しているという。

どうして朝鮮人参の産地が会津なのと聞くと
8代将軍徳川吉宗は、輸入品の支払いで銀が海外流出するのを抑える手段として、
享保6年(1721年)は朝鮮から苗を取り寄せて試験し、
その後、日光にニンジン栽培試作場を設け、国内栽培の研究を行い、栽培に成功し、
幕府は種苗を諸大名へ分与し、各藩の財源となったと言う。
だから「オタネニンジン(御種人参)」の名はこれに由来する。

会津藩では、松平藩主が御薬園(現在もある薬草園)で栽培した種子を民間に奨励したことによる。
全国的にあ長野県丸子町・福島県会津高田町・島根県大根島が日本の産地で
今も、栽培が続いており輸出もしている。
世界的には、韓国産と中国産(吉林、黒竜江)で70〜80%を占めていて、
収穫された人参のほとんどは、紅参に加工されて輸出される。

原料は 同じ朝鮮人参(別名 高麗人参・御種人参)であるが加工法の違いから
  (1)生干(ショウボシ)人参  (2)白参  (3)紅参 
       この3つに分けられるようだ。

    その違いを日本薬局方で見てみると
(1)生干(ショウボシ)人参
 生人参を水洗いして、皮を剥がさずにそのまま乾燥したもの。
 外観的に黄みがかっていて見栄えが悪いが、有効成分のサポニンの含有量が高く品質はよい。

(2)白参
 生人参を水洗いした後、竹ベラで薄皮を剥がし、乾燥したもの。美しい白色を呈している。
 欠点……かき取られた皮には極めて多くのサポニンが含まれていて
、  皮を剥ぐと有効成分を無駄に捨ててしまうことになるので、
 生干人参よりサポニン量が少なく薬効が落ちる。

(3)紅参
 よく水洗いし、外皮を剥がさずに
 そのまま蒸して乾燥させたもの。
 外見は赤褐色で非常に堅く、サポニンの組成もバランスよく、
 品質の良い人参である。
 長所……長期保存が可能。形態を問わず消化吸収率が高い。
     エキス収率は白参より約1.5倍高い。
 短所……蒸すことによって、diol系サポニン2.4%、troi系サポニン3.4%が
     蒸気と共に抽出されて、失われてしまう

サポニンとは副腎皮質ホルモンの分泌を盛んにして、
コレステロールや中性脂肪などの新陳代謝を促進して、
血液中の脂質分解をする働きがあります。
サポニン成分は泡サポニンとシャボンとは語源が同じで
ギリシャ語で泡だつものを意味するし、
現に御種人参の紅参にお湯をさす時、
お茶なのに泡がたつからサポニンが含まれている事になる。

いずれにしろ、原料の生人参は同じで加工の仕方で名前が変わり
栄養素も変わるというもののようだ。

御種人参の紅参は、栽培から出荷まで5年かけて育てる時間のかかる作物。
出荷した後は、養分を吸いあげらてしまった土地に施肥をして、 長期間土地を休ませないとだめで
地力の回復を待ったから次の栽培に取りかかるという土作りが大切な栽培と。
昭和30年代には、人参生産では余りにも手間がかかるためか 
人参産地の多くが県の奨励により柿(会津見知らず柿)の産地に<変わってしまったのも、
それほど土地効率が非常に悪いからだ。

こんな江戸時代から栽培の歴史があるというような話を聞いたり調べたりしていると
加藤剛の大岡越前役の小石川養生所で薬を調合する榊原伊織役の竹脇無我が思い浮かんだ。
そして健康管理の一環として、しばらく飲んでみようかとも。

会津人参農業協同組合  福島県大沼郡会津美里町永井野字堂の前1681-2  TEL0242-54-3449

<山本 一義記>


2 今年は不作なの???

秋の話題は、農家でもないのに、何故か毎年稲の話しが多くなる。
きっと切干刈唄に象徴される日本の風景によるものであろう。

こんな風景(棚田100選の一つ 山形県山辺町の大蕨地区)を見ると、
もう車から降りて、稲の香りを嗅ぎたくなる。

この写真の様に、一本の杭で刈り取った稲を乾燥させるのが「くい掛け」
土蔵の壁のように干すのが、「はせ掛け」(漢字では稲架と書くようだ)という。
どちらにするかは、その土地のよって違っているようだ。
ところが第1話の取材に、会津若松(荘内地方も同じだが)に行くと
またたんぼの風景が全く異なる。

どこにも「くい掛け」も「はせ掛け」も見かけないのである。
もう大型のコンバインで、刈取し、脱穀し、もみ擦りして玄米まで一気に仕上げ
あとは機械乾燥させるからだろうか?

しかし、聞いた話しでは自然乾燥は、農家の自家消費するお米であり
手間暇かけても美味しい米を食べるためと。

だったら、会津若松だって農家の方も家で食べる分は自然乾燥するため
「くい掛け」なり「はせ掛け」なりするはずではないか?
にも関わらず、ほとんど見かけないないのは何故なのか?

会津若松 → 会津地方 → 米 → コシヒカリ
     → @ 魚沼産 → A 会津産 → B 岩船産の順で高い。
山形の「はえぬき」と比べて、比較ならないほど高い。
しかしながら こんな風景 今年はよく見かけた。
台風が多く風にやられてのだろうか?
しかしながらこの画像でも前の部分と中央付近とは全く違っている。
前はほとんど倒れており、別の部分は全く倒れていない。
風でこんなにも違いのだろうか???

答えは、風ではなく銘柄の違いによるもののようだ。
倒れているのはコシヒカリ そして倒れていないのがはえぬき。
元々コシヒカリは、背が高く倒れ易い作柄で、特に今年の天候はコシヒカリが育ち
いつもよりも10cmも高くなったとの事。
それがどんどん稲が大きくなり、その重みに耐えられずに倒れてしまったらしい。

それでもコシヒカリを作るという事は 米価の差であり
自家消費のために手間かけるよりも、全量出荷した方が収入になる。
だから自然乾燥の風景が、山形の内陸地区にはあり、
会津若松付近にはないのかという自分なりに結論に達しました。

しかしながら、あちこちに調べてみるとかなりが違うようだ。
会津若松では、有名銘柄米のため米作の作付け面積が広く、
大型機械を使って、一気に刈取りし、脱穀し、もみするして乾燥させ、
カントリーエレベーターに貯蔵させる必要性が高い。
そのための機械や施設の共同化が進んでいるようだ。

一方 山形では米作と果樹との併作が多く、一戸あたりの米の作付け面積が狭い。
そのため大型のコンバインが入って刈取りするには効率の悪いたんぼが多く、
バインダーで刈取られ、自然乾燥されるという旧来的な手法で農業が営なまれている事が多いようだ。
これが、風景に出ている差の原因のようだ。

切干刈唄のシーンや稲が燃やされて稲焼くの匂いは、まだ残っているのだろう。
そんな地域性と経済性を考えながら、こんな風景を見て
「今年は予想作柄より悪かったようだな」と思いました。
「本当は、この端の杭まで米が出来る予定だったんだろうな」

ところがそれが違っていました。

端の何もかかってない杭は、予想より足りなくて空いているのではなく
くい掛けの場合 中側の部分を乾燥させるため、干し直しするそうです。
その時 中と外の部分をひっくり返して隣の杭に掛け直すためのものという。
すごい生活の知恵ですね 感心しました。

そして 切干刈唄のシーンや稲が燃やされて稲焼くの匂いが
まだ残っている事にも感謝したい。


<藤野 樹海記>


3 山形県白鷹町と東京日比谷の写真2枚 

あっちと言われたら、どっち?と見てしまいたくなりますね。
ちなみに裏側は 「こっち」となっています。
いいですね こういうウィットがきいているのは。

これは東京宝塚劇場前です。
宝塚のスターとファンクラブの人達。
平和だな〜〜日本は。

<森本 じゅん記>


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