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糖尿病と心血管疾患 米沢市立病院心血管外科 三澤幸辰
現在、糖尿病は血管病とも言われています。糖尿病患者さんは健常人より約20年早く動脈硬化が進行する
と言われ、心血管疾患の危険因子であることが明らかとなっています。糖尿病合併症による心血管疾患としては
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)や下肢の動脈硬化(閉塞性動脈硬化症)が有名です。虚血性疾患は突然発症する
ことも多く、生命の危険にさらされることもあります。また、下腿壊疽へ進展した場合、下腿切断を余儀なくされる可能性もあります。
このように怖い心血管疾患の発症・進展を予防するためには、糖尿病発症早期からの厳格な血糖コントロールが重要です。
血糖コントロールが一定期間不良であると、以後の血糖コントロールにかかわらず血管合併症の発症リスクが高いまま
維持されることが示されています(高血糖の記憶)。健康診断等で糖尿病が疑われる方は、自覚症状がなくとも早期からの
医療機関を受診しましょう。早期からの積極的治療が将来的な心血管保護につながります。
広報よねざわ 平成22年1月15日号掲載