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糖尿病網膜症について  米沢市立病院眼科 宮美智子

糖尿病網膜症は、糖尿病患者に見られる眼の合併症の一つです。眼合併症としては、白内障、網膜症、黄斑症、

屈折調節障害、角膜症、視神経障害、緑内障、ぶどう膜炎があります。網膜症は、網膜血管が高血糖のさらされ

特に毛細血管の内皮細胞が障害され、血管の透過性亢進、毛細血管瘤が形成され、網膜浮腫、網膜内出血、

硬性白斑がみられるようになります。網膜症は、罹病期間の延長とともに増加し、罹病期間5年で10%、10年で

30%、15年で50%、20年で70%以上の患者に見られます。約2%に失明が見られます。網膜症の予防には、

血糖コントロールが大切です。長期間糖尿病であれば、網膜症を発症する危険が高くなります。治療は、

網膜光凝固術や硝子体手術が必要となります。治療によって失明を免れることができます。

網膜症の初期には自覚症状がありません。定期的に眼科を受診しましょう。

広報よねざわ 平成21年11月15日号掲載