米沢市医師会健康メッセージ   トップページに戻る

 「死」について考える 三友堂病院外科・緩和ケア 横山英一

人には死が必ず訪れる。ほとんどの人は分かっていると思いますが、それがいつ訪れるのか分からないので

忘れようとしている、そんな人が多いのではないでしょうか。最近は二人に一人ががんになり、三人に一人が

がんで亡くなる時代です。もう治らないと告知されると、死が刻々と近づくことに悩み苦しみます。辛いことですが

例えば心筋梗塞や脳卒中で急変する人はどうでしょう。本人はあまり苦しまなくて済むかもしれませんが、

残された家族はどんなに辛い思いをするか図り知れません。その点、がんはすぐには死にません。

人生の締めくくりとして、自分が生きてきた証として有意義に過ごすことが大切です。

しかしそれを実行するためには、告知されてから考えても間に合いません。常日頃から死というものを

考えておく、そして子供たちにも死に対して教育していくことが必要です。なぜなら死が理解できれば、

命の大切さや生きることの意義がさらに見えてくるからです。

広報よねざわ 平成21年3月15日号掲載