新規開業・承継問題に関するアンケート

 医療の過疎化及び高齢化が全国的に問題視されています。我が米沢市も、令和4年現在、一次救急の一翼を担う開業医の約4割が70歳以上であり、さらに65歳以上で考えれば約6割に相当しています。令和4年度から、地域医療を衰退させないために、現在の開業医数を維持する事を目標に、現在の開業医数を最低限度現状維持する事を目標に、「新規開業及び承継問題検討委員会」を設置いたしました。

 その委員会の活動の一つとして、今回米沢市内の全開業医にアンケートを行い、結果をまとめました。このアンケートでは、米沢市内開業医の54.5%が米沢市全体の開業医数が不足していると答えており、また、自身と同じ診療科の開業医数に関しても37%が現在不足していると回答しました。また、今後に関しては75%が自身と同じ診療科が不足になるであろうとも答えております。そして、全開業医45軒のうち、数年以内に閉院または承継したいと考えているものは14軒(33.3%)に上り、そのうち現段階で可能性も含めて承継者の予定ありは、14軒中の3軒のみとの回答でした。

 この結果を踏まえ、米沢市医師会としては、最低限、現在の開業医数の維持を目標に、新規開業はもちろんのこと、既存の開業医から第三者への承継も積極的に支援したいと考えております。現在、開業医の誘致に関して、米沢市とも連携を図っていくことで合意しており、具体策も検討しております。今後は、随時その具体策を発表するとともに、既存の開業医との承継のマッチングにも力を入れていきたいと思っております。

 現在、開業を検討している先生方を、米沢市医師会として全面的に応援していきます。いずれの診療科に関しても大歓迎であり、新規開業はもちろん、現存の開業医への承継にご興味をお持ちの方は米沢市医師会事務局または米沢市医師会員に是非ご一報いただければ幸いです。



新規開業・承継問題検討委員会 委員長 古川匡和

新規開業・承継問題に関するアンケート結果 1

1) 現在の米沢市内の開業医数について(回答42件・未回答3件)

不足している 23件 54.8%
適当である 18件 42.9%
過剰である 1件 2.4%

2)先生が標榜されている診療科の開業医数について(回答43件・未回答2件)

不足している 16件 37.5%
適当である 26件 60.5%
過剰である 1件 2.3%

3) 問2)の診療科の今後について(回答41件・未回答4件)

不足する 31件 75.6%
現状維持できる 9件 22.0%
過剰になる 1件 2.4%

4) 現在、米沢市で不足していると思われる診療科・開業医はありますか。(複数回答可)

皮膚科呼吸器神経腎臓小児科内分泌循環器心療内科精神科糖尿病アレルギー整形外科耳鼻咽喉科泌尿器科産婦人科眼科外科消化器訪問診療血液内科
28件24件19件17件17件16件15件15件14件12件10件10件7件7件6件6件5件3件1件1件
75.7%64.9%51.4%45.9%45.9%43.2%40.5%40.5%37.8%32.4%27%27%18.9%18.9%16.2%16.2%13.5%8.1%2.7%2.7%
※ 赤色:50%以上の先生が不足していると回答した診療科・開業医