【 渋谷・NHKホール 】
〜 昭和55年9月3日・4日 〜
♪ 青春 ♪
ごぶさたいたしておりました。松山でございます。
皆様お元気でいらっしゃいますか。
上の方もお元気でいらっしゃいますか。
この、綺麗な姿が見えますか? 笑うなっちゅーの。
ほんっとにだらしない。
ほんとに久しぶりの東京のコンサートということでね、もうこの
日をなんていうかこう待ち望んでいたっていうかねえわくわくしな
がらね。
しかしあの秋のツアー最初ということでひょっとしてこう、あがっ
てたりなんかするわけですね。
もうほんとにこうなんていうんだ、思ってることの半分も言えな
いみたいなねえ。そういう、いや(笑)ほんとにもういっつもね、
小さい頃から家の親父やおっかあにね「どうしてお前はそんなに気
が弱く生まれたのかな」なんてね、よくそんなこと言われてたりな
んかして。
ついでに無口だべや俺って。(笑)
お前ら気使わないな、コノヤロ。俺がせっかく足寄から根性で出て
きたっていうのに、お前!
しかもギターをねえリヤカーに乗っけてきたんだぞ、お前!ねえ。
リヤカー引っ張って来たんだぞ、お前!それぐらい頑張ってたりな
んかしてね。
ほんとにたくさんのみんな、集まってくれてどうもありがとうご
ざいます。久しぶりのコンサートというのにねえ、ほんとにたくさ
んのみんな集まってくれたりなんかして・・
ただひとつ頼むから俺より先に盛り上がらないで欲しい。
盛り上がるなら、一緒に盛り上がっていって欲しい。
ねえ、強く思ったりなんかします・・(拍手)
俺なんかお前久しぶりだべや、こうやってみんなの前で唄うの。
こう、はやる気持ちを押さえるっていうかなあ、それで精一杯だっ
たりなんかするんだけど、まあとにかく最後まで俺力一杯唄います
んで、最後まで「よろしく哀愁」
♪ 君が好きさ ♪
♪ オホーツクの海 ♪
あがっちゃった。まあこれからほんとにだんだん北海道寒さ厳し
くなってくるし、みんなんとこもじきに、北海道の方が早いからね
寒さ厳しくなんの、じきにあの、寒くなってくるんでひとつ身体だ
けは気をつけて頑張ってやってもらいたいなと・・・バカ(笑)
♪ 木枯らしに抱かれて ♪
この頃周りのみんなが結婚してってねえ。
世良がするとは思わんかったねえ。あれまいったねえ。
あいつまさかあんなに早く行くと思わなかったもんね。
で、あいつほらおんなじ年だべ。 いや、みゆきはもう行かなきゃ
ダメだ。ありゃ遅すぎる。
世良は特に俺と同じ年だし誕生日も近かったし、ねえあいつ12月
14日なんだよ。で、俺が16日でまあ、あの今年もくるわけだな
いやいや来るんだ。したら俺25になんだ、こんどな。
(会場からおじ〜んの声)
お前、いいおばんにならんぞお前。お前達年取ればなあ、おばん
おばんって言われるんだぞ、お前。ねえ、まあ、25になるべ。
で、まあ念のために言うとまあ12月16日っていうことでねえ。
いや、別に気にしてもらわなくてもいいけど一応自分の誕生日は
12月16日でね。
ま、結構この頃飛行機やなんかもあってね、いろんなもの配達し
てくれるんだし(笑)ま、一応住所かなんか言っておこうか?(笑)
郵便番号は089-37でね。足寄町松山千春で来ると思うんだ。
気にすんなよ、お前ら。(笑)
それじゃあ(笑)少しはすれ!この。そいじゃあここで、大変長
らくお待たせしました。
愛を唄って・・いいべやワンパターンだってなんだって(笑)
24年・・お前コンサートを聞きにきたとかそういう問題じゃなか
ったべ。なんか個人的に話がしたいなと思って来たべ。
ね、いろいろあったりなんかして。それじゃあま、他愛もない歌で
すが愛の歌でも聴いてやってください。
♪ これ以上 ♪
恋愛っていうのは非常に難しかったりなんかしてね。まあ、男と
(笑)女なわけだろう。で、好きになって「愛してるよ」てなんか
言って ね、いろんなことあってお互い夢見てね。
女も見るだろうし、男も夢を見るだろうし・・いつでも一緒に歩い
ていたいなあなんてそんなこと考えて・・
そのうちどっちかの夢が先を越したりして、ズレがでてきて・・
そのズレを一生懸命埋めよう埋めようとして結局埋まらないまま別
れたり・・いろんなことあって、恋愛っていうのはほんとに・・
ほんとにわかんないって思う。
俺なんかいろんな女を好きになってそれでもやっぱりわかんない。
恋愛ってわかんないけどとにかくいろいろ経験してみてその中から、
本当のものを拾い上げていってください。
♪ 炎 ♪
♪ 寒い夜 ♪
♪ 子守唄 ♪
みなさまお元気でいらっしゃいましたか。今回ですね。あの
あほなこと言うな、そりゃ確かに自分は美しい。(笑)
いろいろ女に混ざって男の声までしたりして。
なかなか透き通った声だったりなんかして・・好きだよ(笑)
{ちはる〜という男性の声}
こわいな〜お前。なかなかねえ勇気がいるんだ、
男が声出すっていうのはねえ。立派に声出したりなんかして、汚か
ったりしてダミ声だったりしてねえ。
ありがとう!お前どこの応援団だ?
ね、いろいろあったりなんかするんだけど。
しかし今回ずっとバックがついていただきまして、いろいろ演奏し
てくれるわけですけどね。
今までずっとギター一本でやってましてね、たまにこういうあの、
後ろについていただきましてやったらどうなるかっていうのを、ひ
とつみんなにも聴いていただきたくてですね。
いやかっこいいとかそういう問題でないべや、ばかやろお前。
まいっちゃうな。ね!
それじゃあ、バックつけて俺あんまり歌ったことないんで、それ
こそアガルかもしれませんけど人生の空からって曲が出ます。
是非期待してください。
♪ 人生の空から ♪
♪ もう一度 ♪
♪ 君のために作った歌 ♪
非常に懐かしい歌でね、君のために作った歌。ねえ、もうあれだ
よ。♪君のため〜なんかパッっと見たら前に男いるんだよ。だめだ
っ ちゅうのお前、にっこり微笑まなくちゃ。
♪君のため〜ったらビクついてるんだよ。いいべや、たまには俺
が優しく微笑みかけたって、ねえ。
ほんとにたまんなかったりして・・この歌ねえ懐かしくって。
そういえば52年8月8日、札幌厚生年金会館で俺が初めてコン
サートをやった時に一曲目がこの君のために作った歌で、これを歌
ってコンサートを廻ってだから約3年、ねえ、まる3年経ってねえ
いろんなことあったねえ。
最初はねえもう北海道だけで、ねえ北海道だけでやってた。ひと
つ海超えたらまったく駄目だったってねえ、そんなかんじでやって
て、その後やっと東京でコンサートが出来るっていうんで、11月
16日か、東京新宿厚生年金会館小ホール。
花の小ホールだぞ、お前。ね、元気にやったりなんかして。
あの頃おっかしかったなあ。厚生年金って知らないんだ、俺。
東京知らんべや。今でもわからんべ、俺。足寄は知ってるぞ。
隅から隅まで知ってるぞ、ねえ。わかんないんだ、新宿厚生年金会
館小ホールなんてわからんべや。電車で行ってな張りきって。
ギターもってよ。で、二人俺と金沢って奴がな、二人でカツと行
って、新宿厚生年金会館ってあったんだ。お〜これだ、これだ。
俺今日やるとここれだ、これだ。なんて言ってね。どっから入れば
いいんだべって。で、今度通路があってね。
下に降りてくとこがあんだ。ここ降りてけば行けんでないかなんか
言ってね。
俺がギター持ったりなんかしてね、とことこって下行ったらね、
男の人達がゴロゴロってしてたんだ。なんだべと思ってね。
「すいません、こっから入れます?」ったら、「まだ駄目だ」って
言うんだ。「あ、まだ駄目なんすか」「うん」「楽屋ってどっから
行けばいいんだべね」ったら「このずっと裏だぞ」って。
「そうですか、すいません」ってね。ず〜っと裏廻って・・
そしたら、その聞いた人がコンサートの一番前の席に居てね。
唄いながら、あ〜そう言えばさっき俺あの人に聞いたんだ、なんか
思いながらね。自分のコンサート聴きにきてくれたんだね、あの人
ね。その人もビックリしたろうね。急にねえ、チケットを買ってね
よし、今日は松山千春ってやつのコンサートを聴こうなんて思って
並んでたら、楽屋口どっちですか?裏でないか。
全然気にしてなかったもんね。信じられなかった・・
ほんとにいろんなことがあって3年間経ってみたら、楽しかった
こととか辛かったこととかねえ、失敗したこともあったし。
多分知らないうちにねほんとに、知らず知らずのうちにいろんな
人を傷つけてきたかもしれないし、たまに自分でね、えらい落ち込
む時あんだやっぱりねえ、なんて自分てこうやな性格をしてるんだ
ろうってねえ、駄目だ駄目だ俺は駄目だみたいにね、自己嫌悪に
陥ったりなんかして・・
そして3年間経って自分でも少しずつ変わってきたなと思います。
みんなも俺を見てて、あ、松山千春少し変わってきた、ねえ、あま
りにも美しくなり過ぎたんじゃないかみたいなそう言う部分で変わ
ってった感じるんじゃないかと思いますけど。
やっぱり、変わるっていうのは俺寂しくはない、良く変わってけ
ばいいんだけど、えらい悪くなってったらねそりゃあ怒るけど・・
こういう変わり方はいいんじゃないかと思う。年相応になってい
くのは。
ただ一つだけ自分でも変わってないなと思うものがあって・・
それはいつだって、出始めの頃だって、今だって俺は、自分で考え
てやりたいと思ったこと、自分の心に嘘つかないでやってきたし、
それだけは一生変わることないんじゃないかと・・
例え自分の前になんかあったとしても逃げたらつまんないです。
みんなもいろんな障害乗り越えてきたんじゃないかなと思うけど、
逃げちゃつまんないです。一回逃げたら一生逃げ回っていかなきゃ
いけないような気がして・・
だから俺逃げなかったです。自分で選んだ道だから、逃げられな
いし・・負けたとしても悔いはないし・・そうやって3年間ずっと
唄ってきてつくづく思ったことは・・自分の道は自分で切り開かな
きゃならないって・・欲しいものがあったら自分の手で掴まなきゃ
ならない・・そんなことを・・つくづく思います。
♪ 海を見つめて ♪
♪ 空を飛ぶ鳥のように野を駆ける風のように ♪
空を飛ぶ鳥のように野を駆ける風のようにという曲ねえ、ほんと
にみんなだって思ったことない?鳥のように空を飛んでみたいなあ
とか、風のように野原を駆けぬけてみたいなとか、うちなんかほら
たいした山だべ。ねえ、言うなって恥ずかしいんだから、
(拍手)だめ。
俺も時々、鳥のようになりたいとか風のようになりたいとか・・
はは(笑)、盆踊りは終ったんだ俺は。ちゃんと太鼓も叩いた
話はコロッコロ戻ろう戻ろうとしてんだけど、まほんとにそんな風に
なってみたいなあと思うんだけど、自由そうに見えるからね、
なってみたいと思うけど・・じゃあほんとにお前鳥になりたいか風に
なりたいかって聞かれたら、俺やっぱり駄目だなあ・・
僕も私も(笑)あほなこと、みんなの歌でないんだ、いやほんとに
俺はやっぱり人間でいいなってそんな風に・・人として生まれて、
良かったなってつくづく思います。
鳥は空を飛んで、風は野を駆けてじゃあ俺は一体何をやればいいんだ
ろっていろいろ考えんだ、いっちょまえに。
何をすればいいんだろうって・・
でも、結局泣いたり笑ったり怒ったり悔しがったり、それでいいんじ
ゃないかなと思います。それが全てじゃないかなとも・・
夢を追っかけてみたり、それが全てじゃないかなと思います。
そりゃ山だって海だって川だって鳥とか花とか雲だとか好きですよ。
だけど、そんな中でチョロチョロと一所懸命動き回っている人間って
いうのは俺は好きですね、悲しいくらい好きですね。
泣いてる自分も笑ってる自分も大好きですね。
今日集まってくれたみんなも大好きです。
できればみんな・・みんなが幸せに・・暮らしていければいいなと思
っています。
♪ 悲しい時には ♪
「あてない心を悲しむ人 あなたの腕から夢よ飛び立て」
♪ ハミング 悲しい時には ♪ エンディング
どうもありがとう。どうもありがとう。
◆◇◆ アンコール ◆◇◆
♪ 車を止めて ♪
♪ おやすみ ♪
◆◇◆ アンコール ◆◇◆
お前らはアホか。つられて出てくる俺のほうがもっとアホだけど
な(笑)じゃあ、アホの歌聴いてくれるか。
お前らなあ(笑)、全く予定外だけどなあ、この一曲に全てをか
けてみる。
♪ 恋 ♪
ありがとう。気をつけて・・
END
〜 私の想い 〜
当時のラジオからの録音です。録音形態や編集されていたかとか、
詳細はもう今となっては・・
当時はきちんとメモ保存してあったはずなのですが・・なにしろ時
の流れは止まってくれないので(笑)
私の宝物として大切にしまってあったものです。
今回この書き起こしをさせていただく気持ちになったのは、少しで
も昔の千春さんを知りたいという方がいらっしゃったら喜んでいただ
けるのではないかと思ったからです。
ただ・・本当に遠い記憶なのです。
もしかしたら、多少の思い違いや、くい違いがあるかもしれません。
それと、改めて千春さんの人間性やしっかりした考え方に感嘆・驚嘆
しました。その当時も、勿論そのポリシーには驚かされ感心していた
ものですが・・
当時24歳。自分の今の年齢と照らし合わせても、なんて素晴らしい
生き方をしてる人なんだろうと再認識させられました。
これが、今も多くの人を引きつけて離さない魅力なんだと・・
コンサートはアイドル並みの人気の為、会場からは若い女性の声が
ひっきりなしに飛んでいて。その受け答えに照れながら、笑いながら
の千春さんでした。
そして・・
ラストの「恋」は、感極まって涙ぐみながら・・の熱唱でした。
最後まで読んでくださってありがとう。